[ ハードボイルド ] さらば長き眠り 沢崎シリーズ |
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原りょう | 出版月: 1995年01月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 12件 |
![]() 早川書房 1995年01月 |
![]() 早川書房 2000年12月 |
No.12 | 9点 | E-BANKER | 2016/01/09 12:56 |
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皆さま明けましておめでとうございます。(遅くなりましたが・・・)
2016年(平成28年)最初の書評はどうしようかなと熟考した結果・・・手にしたのがなぜか本作。 私立探偵沢崎シリーズの四作目にして最長の本作。 ~400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは浮浪者の男だった。男の導きで、沢崎は元高校野球選手の魚住からの調査を請け負う。十一年前、魚住に八百長試合の誘いがあったのが発端で、彼の義姉が自殺した事件の真相を突き止めて欲しいというのだ。調査を開始した沢崎は、やがて八百長事件の背後にある驚愕の事実に突き当たる・・・。沢崎シリーズ第一期完結の渾身の大作!~ これは・・・スゴイ。 文庫版で600頁弱の大作。完成まで五年以上の歳月がかかったというのが頷ける中味。 事件の発端は十年前以上の事件なのだが、沢崎が事件に関わった途端、まるで現在進行形の事件であるかのように彼の周りに大きな“うねり”が発生する。 自殺として解決したはずの事件の裏には、複数の人間・組織の悪意や保身が隠されていた。 沢崎の孤独な調査が目眩く謎をひとつひとつ紐解いていく・・・ ひとりひとりの登場人物が実に魅力的だし、欲や保身、見栄のために犯罪に手を染めてしまうのがいかにも人間臭い。 もちろん本格ではないので、読者が謎解きを楽しむというプロットではないけれど、何重にも重ねられた事件の構造や意外性のあるラストなど、ミステリーファンにとっても十二分に満足できるストーリーだと思う。 今回は沢崎が探偵業に手を染めることになった渡辺の消息がひとつのサイドストーリーとなっている。 シリーズ当初より沢崎に付きまとう錦織刑事、そしてヤクザたち・・・彼らとの関係にも一定の結末が得られるなど、シリーズの分岐点としても重要な作品。 世評としては直木賞受賞作「私を殺した少女」の方が上なのだろうが、個人的には本作の方に魅力を感じる。 とにかく、新年から手応えのある作品に出会えたことに感謝したい。そんな気持ち。 よって、久々にこの点数。 |
No.11 | 8点 | いけお | 2010/09/02 04:52 |
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ハードボイルド系作品として非常に完成度が高い。
主人公の推理力がやたらと高いので、もう少し説得力があってもいいかも。 |
No.10 | 7点 | kanamori | 2010/03/10 21:16 |
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私立探偵・沢崎シリーズ長編第3作。
「さらば」「長き」「眠り」。タイトルからしてチャンドラーへのオマージュですか。ギャグかもしれませんが。 前2作と比べて文体の緊密度が下がった感じは受けますが、その分読みやすくなっています。ミステリとしても満足いく出来だと思いました。 |
No.9 | 6点 | あびびび | 2009/12/03 16:43 |
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日本という国で、ハードボイルドを書くのは至難の業だと思う。遅筆と聞いたが、それもよく分かる。
アメリカなどでは見たまま、会話のまま書けばある程度ハードボイルドになりそうだが、この国ではそんな洒落た会話はほとんどない。 そんな環境の中でこれだけ楽しませてくれるのだから凄い才能と努力だと思う。決して、上から目線でなく…。 |
No.8 | 8点 | frontsan | 2008/12/08 11:43 |
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原りょうのシリーズは、全部読んでいます。ハードボイルド好きの私としては、十分に楽しめましたが、本格推理小説好きの人には、合わないかもしれません。 |
No.7 | 8点 | VOLKS | 2007/12/22 21:35 |
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前作からかなり経ってからの作品ということで、ぎっしり詰まった作品に仕上がっているように感じた。重量感のある読み物。読み応えがあった。
「長き眠り」から覚めたのは作者か?w |
No.6 | 7点 | 永沢 | 2005/05/29 23:47 |
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長編の初めの三作を読みましたがイマイチ、沢崎の顔がイメージできない。魅力が伝わってこない。 作品内容に関しては、よかったです。 |
No.5 | 8点 | 小太郎 | 2003/04/02 00:40 |
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相変わらずコテコテな和製ハードボイルド。最初は笑ってしまったし、鼻につく文体だったのですが、3冊目ともなるとすっかり愛着が湧き(笑)、もっと読みたくなるから不思議です。 |
No.4 | 8点 | えむ | 2003/03/07 20:44 |
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読者をひきつける魅力的な作品。 『私が殺した少女』のほうが好きだが、 文句はない。苦情を言うとすれば、早く新作を出してくれということのみである。 |
No.3 | 10点 | TAKA | 2002/12/08 16:28 |
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同じく最近読んだなかでは最高。 |
No.2 | 7点 | SAK | 2001/06/16 18:24 |
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久しぶりに出た作品だけに期待が大きすぎたかも。 でも、原氏の作品は凄く好きです。 |
No.1 | 10点 | TAKA | 2001/04/30 17:47 |
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文句なし!最高! |